臨床用システム

(H&E染色)

久留米大学病院 病理部


ご氏名:山口知彦

ご施設名:久留米大学病院

ご所属名:病理部

施設紹介

久留米大学は、昭和 3年に九州医学専門学校を設置し、昭和 27年には医学部を開設、近年においてはバイオ統計センターなどが開設され、70余年の伝統を重んじ、その一方で新しい学部や学科が開設されています。 本学の位置する久留米市は九州の北部、福岡県南西部にあり、市の北東部から西部にかけて流れる九州最大河川の筑後川に抱かれた水と緑の街で、久留米ラーメン、屋台、焼き鳥屋の多い街としても知られています。
病院病理部は鹿毛政義教授のもと、10名の臨床検査技師と 2名の技術スタッフで構成され、久留米大学病院と久留米大学医療センターの病理検査を行っています。 日常の仕事としては、組織標本作製、免疫染色、特殊染色、術中迅速、細胞診検査などの一般的な業務を行っています。 その一方で、文部科学省の21世紀 COEプログラムの中の“癌の分子標的治療研究”に関して、免疫組織化学を中心とした仕事を行っています。

選定のポイント:

  1. 染色安定性向上
  2. 染色封入一体式による作業効率
  3. キシレンの臭気と有害性排除

以前は、ヘマトキシリン液とエオジン液を作製し一定の日数経過後に交換していました。特にエオジン液は試薬を替えた当初と数日後の染色性は異なり、常に一定の染色性が保持できない状態で検討課題の一つでした。導入後は、ヘマトキシリン液とエオジン液の消費管理は機械で行い、試薬の劣化も無く、常に一定したH&E標本の染色性を保持することが可能となりました。また試薬ケースから標本に吹き付けて染色するため、他スライドに紛れ込むなどのコンタミの危険性が大幅に少なくなると思われます。 従来型機は染色機と封入機の間を一日に何回も標本を移動させていたため別の仕事に専念できないことが多々ありました。

さらに以前は、薄切後のパラフィン切片は十分な乾燥が必要で、乾燥が不十分な標本はしばしば染色中にはがれることがありました。現在は乾燥が不十分な標本でもSymphonyで乾燥を行うため、H&E染色にかかる手間と時間が大幅に少なくなり、分子病理診断などの新たな業務拡大にチャレンジしています。

臭気に関して、ホルムアルデヒドが特定化学物質の第2類物質に指定され、病理室内の環境改善を行いました。しかし、病理室内ではさまざまな有機溶剤や薬品等々を使用しているため、ホルマリン使用環境のみでなく病理室内全体の環境改善が必要と考えていました。

Symphonyはキシレンを使用しないため、特に安全性の面で女性職員の健康(懐妊中、出産後、育児中)などの人体に対する部分では、従来の機械と比較できないと考えます。このように私達の改善すべきことがSymphonyの導入によりほぼ成し遂げることができました。

サポート面でSymphonyはインターネットで接続されているため、機械のトラブルが発生した場合はロシュ・ダイアグノスティックス社TD事業部や技術スタッフの方への連絡システムができており、インターネット上でトラブルの回避を行ってくれます。これは今までにないサポート体制であると考えられます。

最後にSymphonyにより、作業の効率化と臭いに対する環境改善ができたことから、今後さらなる業務の改善や拡大につながって行けば良いと考えます。

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